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作家 松沢直樹のブログ
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☆★ユアーズ☆★

今春、電子書籍という形で刊行させていただいた
原爆をテーマにした児童向け小説
「ぼくたちの空とポポの木」が、点字の本になりました。

有志のみなさまが、点字に翻訳してくださったのですけど、
有難い限りです。

今回電子書籍で、この作品を刊行させていただいたのですけど
そもそも、刊行の時点で
電子書籍のブックリーダーソフト「T-time」を
開発してるボイジャーって会社さんが、
視覚障害者の方も楽しんで読書できる工夫を、
ブックリーダーソフトに盛り込んでくださってるんですね。

文字を拡大したりするルーペ機能とか、
自動的に音声読み上げをしてくれる機能を
付加してくださっていて、
これがまたとても素晴らしい出来栄え。

実際、僕もメルマガとかで実験的に
自分の作品を配信してたりした時に、
視覚障害者の方から、メールをもらうことがよくあった。

お金を払って、作家さんの最新の本を読もうと思っても、
点字の本や、オーディオブック(朗読した本)がないので、
読書が楽しめないのだそうだ。

今でも、メルマガで「桜の舞う空の下で」という
ミステリ小説を配信してるんだけど、
150名ほどの読者の中にも、音声読み上げソフトを使って、
僕の小説を鑑賞してくださってる視覚障害の方がいらっしゃる。

ご不便をかけてるのは心苦しいし、なによりみなさんが
楽しんで読書していただける環境があれば……と思っていたので
ボイジャー社の電子ブックリーダー「T-time」の機能追加は
共感できるし、頼もしいと思っています。

今回出させていただいた
「ぼくたちの空とポポの木」という作品は、
原爆をテーマに扱った、社会性の高いテーマの作品なので、
電子ブックリーダーに音声読み上げの機能がついたのは、
とてもありがたいと思っています。

ただ、中には、視覚障害と聴覚障害の両者と付き合いながら、
点字の本で、読書を楽しんでいらっしゃる方もいます。

もちろん、視覚障害のある方の中には、
音声読み上げの機能に頼るよりも、
読みなれた点字の本の方がいいと
おっしゃる方もいらっしゃる。

そんなわけで、より多くの方に読んでいただけるために、
埼玉にお住まいの有志の方から点訳を申し出て
いただいたのですが、有難い限りです。

読者様の中には、他の方に勧めてくださったり
ブログにコメントやトラックバックを張ってくださる方も
増えてきました。

こうやって、共感して下さった方が、
お力を貸してくださったおかげで、
いろいろな人の心に作品が旅していくのを見るのは
すごくうれしいです。

先日、NBC・長崎放送の記者だった伊藤さんって方が、
1971年から全国を回って、
広島や長崎で実際に被爆した方の証言を
記録した音声ファイルを公開していらっしゃる
HPをネットでみつけた。

あつかましくも、リンクをはらせていただくことを
お願いさせていただいたのだけれど、快諾してくださって
僕の個人サイトにリンクを張ってくださった。

ヒロシマ・ナガサキ わたしたちは忘れない

そのおかげで、またこの作品は、
多くの方のところへ旅することができるようです。

この作品って、史実を元にしたフィクションにしたんだけど、
執筆の際にずいぶん悩んだ。

歴史的史実に基づいた作品にすべきなのだろうけど、
ノンフィクションという形で書いたら、

あまりにも凄惨すぎて、
この問題を客観的に考えることが
できなくなるんじゃないかなあ…とかさ。

特に児童向けの作品だから、
偏った考えかたを植えつけたくはなかったしね。

だから、取材したり、実際僕が記憶していることの中で、
書かずにカットしてしまわなければいけないことが
山ほどでてきてしまった。

そのことを盛り込むべきだったかなあ…とか、
実は今でも悩んでたりしてます。

僕は、戦争が終わって23年経って
生まれたのだけれど(昭和の男でござんす)、
僕が高校を出るくらいまでのころは、

やはり戦争や原爆の残した
爪あとがそこかしこに残っていた。

ここでは詳しく書かないけど、
そのことは、やはり忘れられない。

僕が生まれる23年も前に終わっていた戦争は、
違った形で、
きな臭い憎悪を吐き出し続けていたんだよね。

残念だけど、今でも全ての人が、
過去の戦争と決別できたわけじゃない。
今も、61年前に終わった戦争が残したものに
苦しんでいらっしゃる方もいる。

そして、平和で裕福な暮らしをしている
この国の外では、
日本が61年前に経験したことと
全く同じような凄惨な状態に見舞われている国が
たくさんある。

この作品を読んでくれているお子さんと同い年くらいで
南米や、アフリカに住むお子さんの中には
本やおもちゃやお菓子を与えてもらう前に

銃を持って、人を撃つことを教えられているお子さんが
30万人以上もいる。

やるせない話だよね

そして、僕たちが住む日本も
そんな不安定な世界の中で、毎日を過ごしていて、
いつまたそんな危機を迎えるか分からない状態にある。

そんな矛盾を解決する方法を、
この作品を読んでくださった世界中の方
一人一人が、
考えてくださるきっかけになって

いつか本当に
戦争という危機がこの世界から
無くなる日がくればいいなあ……
とか思ったりしてます。

国際政治のことは、それなりに知識があるし
歴史的な事件を目の当たりにして
取材を重ねてきたから

戦争の危機が
この世界から消える時代を作ることが
とても難しいことだということは
よくわかっています。

とてつもなく無謀な望みのようだけど、なんだかね
いつかきっと叶うような気がするんだよね。

なぜかわからないけど、そうなるといいなあ

一字一字
祈りを込めて書いたこの物語が
世界を変えてくれるきっかけを生む力に
なってくれますように

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プロフィール
HN:
松沢直樹
年齢:
56
性別:
男性
誕生日:
1968/03/03
職業:
著述業
趣味:
冬眠
自己紹介:
沈没寸前のコピーライター ライターです。ヤフーではなぜか「小説家」のカテゴリにHPが登録されてますが、ぢっと手を見る日々が続いております。
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